甲状腺の役割
甲状腺は、首の前側、のどぼとけのすぐ下にある内分泌器官です。平べったい器官であり、腫れがない状態では触ってもほとんど分かりません。
 身体の代謝を整えたり、成長を促進する甲状腺ホルモンを分泌している、大切な器官です。
甲状腺疾患について
甲状腺疾患は、圧倒的に女性に多く発症します。また女性の中でもその頻度が高く、特別な症状がなく健康と思われる40代以上の女性に検査を行ったところ、そのうちの約2割になんらかの甲状腺の異常が見つかったという調査報告もあります。
 数は少ないものの、男性に甲状腺疾患が見つかることもあります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰につくられ分泌されている状態を指します。
 動悸、体重減少、めまいなどの症状を伴います。甲状腺疾患の中では比較的、男性にも起こりやすい病気と言えるでしょう。
 代表的な疾患に、バセドウ病が挙げられます。
 内服での治療が主となりますが、放射線治療、手術が必要になることもあります。
甲状腺機能亢進症の症状
- 甲状腺の腫れ
 - 動悸、息切れ
 - 多汗
 - 疲れやすい
 - 頻脈
 - イライラ
 - 睡眠障害
 - 体重減少
 - 手足の震え
 - 眼球の飛び出し
 
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの量が低下している状態を指します。
 肌荒れや肌の乾燥、無力感、体重増加、便秘などの症状を伴います。代表的な疾患には橋本病が挙げられます。橋本病は、成人女性の5~10%に発症すると言われるほど高頻度の病気です。
 甲状腺ホルモンの内服によって甲状腺ホルモンを補充する治療が基本となります。
甲状腺機能低下症の症状
- 甲状腺の腫れ
 - 肌荒れ、肌の乾燥
 - 身体のむくみ
 - 倦怠感、強い眠気
 - 徐脈(脈が遅い)
 - 便秘
 - 髪の毛や眉毛が薄くなる
 - 体重増加
 
甲状腺中毒症
甲状腺機能亢進症の1つです。
 倦怠感、動悸、息切れ、頻脈などの症状を伴います。
甲状腺機能中毒症の症状
- 甲状腺の腫れ
 - 倦怠感
 - 手の震え
 - 動悸、息切れ
 - 頻脈
 - 多汗、暑がり
 - 下痢
 
甲状腺腫瘍
甲状腺に腫瘍(しこり)ができた状態を指します。
 腫瘍、甲状腺全体が腫れるに現れることもあれば、部分的にしこりのように腫れることもあります。
 多くは良性であり、悪性の場合も根治が期待できる病気です。
甲状腺腫瘍の症状
- 甲状腺全体的または部分的な腫れ
 - 首の前側の違和感
 - 動悸、息切れ
 - 多汗
 - 体重減少
 
甲状腺の腫れ以外にはほとんど自覚症状がないのが特徴です。
甲状腺疾患の診察・検査
問診の後、各種検査を行います。
 血液検査では、甲状腺ホルモンの値を調べることができます。
 エコー検査では、腫瘍の大きさや形、石灰化している部位などを調べることができます。また、良性・悪性のある程度の予測も可能です。
 その他、穿刺吸引細胞診検査にて細胞を観察し良性・悪性を調べたり、造影CT検査で転移の有無や他の臓器との関連を調べることもあります。
 ※穿刺吸引細胞診検査、CT検査が必要になったときには、提携する医療機関をご紹介いたします。
甲状腺の腫れ・しこりが気になったら早めに受診してください
富畑内科クリニックでは、甲状腺疾患の診断・治療を行っております。甲状腺疾患の症状は、気づきにくいもの・見逃してしまいがちなものが多く、そのことが治療の遅れにもつながっています。特に女性は、少しでも気になることがあればお早目ご相談ください。
 より高度な検査・治療が必要になったときには、提携する高度専門医療機関のご紹介をいたします。







 






